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BOOK

改訂新版インターネット講座
著者
有賀 妙子
吉田 智子
大谷 俊郎
判型
A5判 276ページ
定価
本体 2200円+税
ISBN
978-4-7628-2830-0
発刊日
2014年2月20日

Distribution

株式会社 北大路書房
〒603-8303
京都市北区紫野十二坊町12-8
TEL 075-431-0361(代表)
FAX 075-431-9393
http://www.kitaohji.com

「5章 Webページの企画・デザイン」の演習問題の解答例

演習問題の解答を導くための解説

Webページの制作は、企画、設計(デザイン)、作成、運用というプロセスで進みます。5章の演習問題は、そのうちの企画、設計プロセスを行うものです。

特に重要なのは企画プロセスで、ここを曖昧なまま、次の制作プロセスに進むと、場当たり的なまとまりのないWebページになってしまいます。「作る」作業を行う前に、伝える情報は何かを制作者が十分に把握する必要があります。

制作するWebページのテーマは各人がそれぞれに決めればいいのですが、授業で制作演習を行う場合は、範囲を絞り、その中でテーマや目的を決めるようにしてもいいでしょう。範囲の提示例としては例えば次のようなものが考えられます。

料理
ある料理を選び、その料理にまつわるさまざまな情報を提供するWebページを制作。単に作り方にとどまらず、材料の生産地からの経路、栄養素、料理の歴史・背景など視点が広がります。
気に入っている製品(例えばペンや服など)
普段使っている製品、気に入っている製品を取り上げ、それを「売る」宣伝をすることを想定して、Webページを作る。消費者としての新しいイメージ、視点でWebページが作られることが期待できます。
町内観察
自分の住んでいる町を取り上げ、まったく新しい視点で町内を見直したWebページを作成。例えば、町内にある形や色に注目する、または時間的な流れ(1年、1週、1日)に注目することで、新しい視点での観察が生まれ、単なる紹介情報ではない、独自のWebページができるでしょう。

「こんな内容のページでは、新たに作る価値を見出せない」などと深く考えてしまうと、何も作れなくなります。たとえ似たような内容のページがほかに存在しているとしても、あなた独自の情報提示の切り口、視点がかならずあります。人の目に触れることを意識しながらも、まずは自分の知っている対象をテーマとし、調べながら内容を拡充していってください。

この意味でも、企画ワークシートの「このページで一番何を伝えたいのか」の欄は大切です。ここで明確に文章化された目的が、そのページの価値となります。

最初からたくさんのページからなる、複雑なリンクを張り巡らしたサイトをデザインするより、シンプルな構造のサイトから始めてみましょう。ただし、後でトピックスごとに内容を付け加えていき易い、明確な骨格構造をもっておくことは大切です。

設計プロセスで行うのは、Webページに載せる情報の整理分類と、その関連付けです。 情報を分類するには、次のような方法があります。一つのことでも複数の視点があり、それにより情報の見え方が変わりますので、いろいろな視点から情報を分類してみてください。

  • 位置(場所)
  • 50音順やアルファベット順
  • 時間
  • 分野・種類
  • 階層(大小、高低、重要度など)

分類された情報が基本的には情報の「かたまり」となります。分類の視点により、「かたまり」の並べ方も異なます。情報の並べ方は、リンクによるページ間の関係づけやメニュー項目の順番と深く関連しています。
情報の「かたまり」同士の関連性を考えるのが、サイトの構造図を描き、ナビゲーションリンクを決定することに相当します。