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第2回 メールの洪水をせき止め知識の湖を築く




1995年3月号の UNIX USER 誌に掲載された「ルート訪問記」の過去記事

第2回 メールの洪水をせき止め知識の湖を築く

今回私が訪ねたルートさんは、株式会社京都ソフトアプリケーショ
ン(KYSA:KYoto Software Applications Inc.、京都府京都市)
[注1] の孝本達哉(こうもとたつや)さん(事業推進部SE統括課
長)です。孝本さんは、ここで行われている情報処理技術者向けの
研修の企画と運営、さらに独自のネットワーク組織(KYSAネット)
を含む、KYSA のネットワーク全体の構築と運用の責任者として活
躍されています。



*フレックスコースの受講前には、ネットワーク環境整備が必要

私(以下、Y):お久しぶりです。あいかわらずお忙しそうですね。
今日は、KYSA で実施されている、ネットワークを活用した研修に
ついてのお話をお聞きしたいと思います。

孝本さん(以下、K):はい、分かりました。ネットワークを活用
した研修は、「フレックスコース」という名前で、ちょうど3年前
から始めたものです。これは、従来の教育で常に問題となっていた、
通学にともなう空間的制約や、講義時間が選択できないことによる
時間的制約を解消するために、ネットワーク上のメールやニュース
の機能を最大限に活用しようというものです。

Y:ということは、「研修を受ける」といっても、ここの研修室に
集まる必要はなくて、普段仕事をしている場所で孝本先生の授業が
受けられるのですね。

K:はい。ネットワークを利用しますから、フレックスコースを受
講する前に、ネットワークの環境を作る必要があります。そのため
には、(1)インターネットにつながっているか、あるいは、(2)KYSA
のローカルのネットワーク組織である KYSA ネットに接続している
か、のどちらかの環境が必要なのです。

Y:なるほど。すでにインターネットにつながっているなら、いつ
でも生徒になれますね。それ以外の場合に、(2)の KYSA ネットへ
の参加の環境を整えるというわけですね。

K:はい。その環境の整備は、こちらの主催者側でサポートします。
具体的には、受講者の会社のワークステーション(以下WS)を電話
回線 [注2] とモデム [注3] を介してKYSA ネットに接続するわ
けです。すでに WS を持っておられるなら、それを使って接続しま
すし、WS がない場合には、WS とモデムなど機材一式を貸与するこ
とになります。会社側で用意してもらうのは、電話回線、設置場所、
電源用のテーブル・タップぐらいですね。

 KYSA ネットというのは、もともとはフレックスコースのインフ
ラ [注4] として始めた、KYSA の中だけでメールやニュースのや
り取りのできるローカルなネットワークです。しかし、現在では
KYSA ネットが、KYSA の3本柱である人材育成、実践指導、そして
仕事の斡旋のすべてのインフラになっています。実践指導というの
は、KYSA ネット参加企業は、技術的な質問を KYSA の講師に答え
てもらえるというものです。

Y:仕事の斡旋もされているとは知りませんでした。

K:これは、地元の企業に対して、スキルをアップさせる目的で、
仕事を斡旋しています。ですから、むやみに斡旋しているというわ
けではないのです。

Y:じゃ、私のスキルがアップしそうな仕事があったら、斡旋して
くださいね。いろんな人と出会えて、楽しい仕事ならなおいいな。:-)

 話を戻すと、KYSA ネットあるいはインターネットへの接続が完
了すれば、いよいよフレックスコースがスタートするのですね。

K:はい。フレックスコースの受講者は、勉強するための記事(アー
ティクル)と問題を電子メールで受け取り、問題を解いて提出しま
す。われわれが彼らの提出物を添削して、次の問題をわたすという
サイクルを続けます。1つのコースは平均3か月間で、終了するこ
とになっており、終了した受講者にはかなりの実力がついているは
ずです。

 ちなみに、C言語をまったく知らない人を対象とした「モジュー
ル [注5] 構成技法入門」の最終目標は、300ステップ程度のC言語
プログラムを保守効率を考慮に入れた形で設計製作するというもの
です。単に動くというだけでは卒業させてもらえません。:-)

Y:ええっ? プログラムが動くだけじゃ、卒業できないとなると、
どんな厳しい試練が待っているのですか。

K:われわれは提出されたプログラムを細かくチェックして、「変
数名の付け方が悪い」、「機能設計の着眼点が悪い」、「コメント
の付け方が効果的ではない」などと細かく指導して書き直させます
から、1つのコースを終えるころには、知らないうちに相当の実力
がついています。

Y:なるほど。「C言語の文法を教えてもらって終わり」という研
修とは、質が違いますね。

 ところで、研修がネットワーク上で進められるということは、講
師と受講者が顔を合わせる機会はないということですか?

K:実は、少し前までは、週に1回、夜に3時間のスクーリングを
行っていました。完全なフレックスではなかったわけです。

Y:「夜に3時間」って、何時からスタートするんですか? 夜7
時からだと、終わりが夜の10時になってしまって、門限の厳しい家
のお嬢さまは、困ってしまいますね。

K:5時30分スタートです。会社員が毎週、夜に集まるというのは、
やはり相当な制約がかかるわけです。そこで、94年の夏からは、
「完全フレックス」という、スクーリングなしのコースを作り、ス
タート時期も完全に自由にして運用しています。その場合は、コー
スの途中で適宜行われる卒業生を交えた懇親会(早い話が飲み会で
す:-))で顔を合わせるだけで、それ以外は完全にネットワークを
利用した指導となるわけです。そのため、極端な話、ネットワーク
につながっていれば、外国からでも受講が可能になります。

Y:それはすごく魅力的ですね。メールのやり取りで勉強ができる
というのはまだ珍しいし、最先端ですよね。

K:日本ではまだ珍しい方ですね。

Y:アメリカなどでは、ネットワークを利用して修士号が取れるよ
うですから、そのうち日本でも……。


*完全フレックスのメリットとデメリット

Y:完全フレックスコースのメリットとデメリットについて教えて
いただけますか?

K:まず、受講者側のメリットは、空間的、時間的な制約が少ない
ということでしょうね。週に何回か、定時後に研修場所に通うとい
うのは、会社員にとって、かなりの負担ですからね。さらに、マン
ツーマンで教えてもらえますから、自分のペースで着実に実力が付
けられます。逆にデメリットは、直接お会いしてお話しすることが
ないので、だんだんとメリハリがなくなってくることと、仕事の合
間に勉強しなければいけないことでしょうね。定時後でも会社のデ
スクで勉強していれば、仕事の電話もかかってくるでしょうし。

Y:仕事が忙しいと、どうしても勉強すべき時間にも仕事の方を優
先させてしまうことになるでしょうね。

K:次に、主催者側の意見ですが、集合教育なら先生1人に対して
同時に多数の生徒を指導できますが、フレックスコースだと1対1
なので、同じことを何回もいうというか、書かなければなりません。
ほかの生徒が書いたプログラムやほかの生徒に講師が指導した内容
もメールで受講生全員に送っていますが、やはり、自分にあてられ
たメール以外は、読み流してしまうケースが多いですね。

Y:フレックスコースを含む KYSA の実施している研修は、会社が
申し込むもので、個人が「勉強したいから」と勝手に申し込むタイ
プのものではないのですよね。

K:そうです。でも中には、たとえば、「会社の隣の部署の何とか
さんが、こないだあの研修を受けてて、それまでぜんぜんプログラ
ム書いてはらへんかったのに、帰ってきていきなりちょっとした制
御プログラム自分で書いて、ぽんぽんやってはる。ええみたいやか
ら、私も受けさせてほしい!」と、上司を説得して受けに来られた
方もおられますよ。

Y:熱心な方ですねえ。それもバリバリ京都弁。:-) ところで、京
都の企業以外の方も研修は受けられるわけですよね。

K:はい、地域の制限はありません。よい機会ですから、KYSA の
研修についての問い合わせ先 [注6] を紹介しておきましょう。


*メールの管理にはKVSSとprocmailを利用

Y:受講者から大量に届くメールはどのように管理されているので
すか?

K:3年前のフレックスコースのスタート時に、KVSS(Kysa
Virtual School System)というシステムを作り、ずっとこれで管
理しています。受講者からの問題提出のサブジェクト(Subject)
名 [注7] には、細かい規則が決められています。KVSS は、それ
以外のサブジェクト名のものをはねるとか、受講者かどうかを判断
してそれ以外の人から届いたメールをはねるなどの機能を持ってい
ます。

Y:なるほど。でも、私みたいなあわて者は、「課題ができたから
さっそく提出だ!」と提出したら、課題のサブジェクトを付け忘れ
ていて、KVSS にリジェクトされてしまってショック……みたいな
ことになりそう。

K:山のように届いたメールの中から、自分の見たいものを探すた
めには、「サブジェクトを見るだけで誰が何のために出したメール
かが簡単に分かるように」という配慮が必要なのです。

 KVSS にはそのほかにも、各コースごとに、最初から届いたすべ
てのメールに自動的に通し番号をふって管理する機能があります。
こうすると、誤ってメールを消してしまっても、どのメールがない
のかが一目瞭然です。もちろん、通し番号を指定することで、その
メールを再度取り寄せることも可能です。さらに、本文中に「よし
だ」という文字列を含んでいるメールだけを取り寄せたり、いまま
でのメールの一覧を取り寄せたりということもできるので、再利用
可能なメーリング・リストとしても活用できます。今後は、自動的
にコース運営を管理してくれるような機構を盛り込んでいく予定で
すが、なかなか時間が取れなくて困っています。:-)

Y:KVSS をうまく利用したとしても、孝本さんにはものすごく多
くのメールが届くと思うのですけど。

K:そのとおりです。だいたい1日平均100通程度でしょうか。私
のところには、システムからのエラー・メッセージも届きますから
ね。もう出張から帰ったときなどは大変です。

 そこで、私に届く多くのメールの処理に、フリー・ソフトの
procmail [注8] を使っています。

 メールは、通常 sendmail [注9] が /bin/mail/ [注10] を呼び
出して、各自に届けられるのですが、procmail をインストールし
て使うようにしておくと、sendmail が直接、procmail にメールを
わたすようになります。または、ホーム・ディレクトリの 
.forward ファイル [注11] に記述することで、明示的にprocmail 
にわたすことも可能です。

 procmail には、「どのようなときに、どこのフォルダ [注12] 
に格納する」という情報を正規表現 [注13] で書いておける表があっ
て、それを参照しながらメールを自動的に振り分けてくれます。届
いたメールがどこに保存されたかの情報は、ログ・ファイルに記述
されます。このように、procmail を使うことで、届いたメールを
読む前に、サブジェクト名や発信人によって適当なフォルダやファ
イルに振り分けることが可能になるのです。

Y:それは便利ですね。私は、mh-e [注14] でメールを読んでいる
のですが、孝本さんも mh-e ユーザですか?

K:はい。procmail はとても便利なのですが、このように自分が
読む前に自動的に振り分けられてしまうと、ひとつ困ったことが起
きます。それは、新着のメールがどのフォルダに何通ずつ届いたか
が分からなくなってしまうことです。「誰から届いたメールがどこ
のフォルダに格納された」という情報は、procmail の出すログ・
ファイルを読めば分かりますが、それを順番に読んでいるのなら、
すべてinboxに届いたメールを順番に読んでいるのとあまり変わり
がないでしょう。

 そこで私は、procmail の出したログ・ファイルにソートをかけ
て、「どのフォルダに、何通の新着メールが届いたか」を情報に換
えて、その情報と mh-e の持っている機能との両方を使って、新着
メールの届いているフォルダだけを順番に見て、メールを読むこと
ができるようにしています。Emacs Lisp [注15] で数十行の式を書
いているのです。

 それから、xbiff [注16] は、通常はユーザーのスプール(郵便
箱)にメールが届くたびに旗を立てるようになっていますが、
procmail の出すログ・ファイルを調べるようにしておくことで、
このログ・ファイルに情報が追加されるたび、すなわち、sendmail
が procmail にメールをわたすたびに、旗が立つように変更して使
うこともできます。

Y:世の中に存在するツールを自分なりに工夫して利用し、必要と
あらば、自分で Emacs Lisp の式をささっと書いてしまうあたり、
「元祖UNIXユーザー」の名にふさわしい方だと、ますます尊敬しま
す。


*KYSA ネットの中でインターネットの疑似体験が提供できれば

Y:孝本さんは、KYSA ネットやインターネットへの接続を希望さ
れる方々のサポートをされてますよね。最近、とくに、インターネッ
トへの接続に関する相談が多いのではないですか?

K:そうですね。「インターネットを利用したい」という相談を受
けたときには、まず次のように答えます。「メールとネットニュー
スが利用したいだけなら、UUCP 接続 [注17] をすればよい。いま
はやりの WWW [注18] を Mosaic [注19] などから利用したいなら、
IP [注20] で接続する必要がある」。

 次に、「IP接続にはかなりの費用がかかることと、接続の作業が
UUCP 接続の場合よりも難しくなる」ことを話します。UUCP 接続と 
IP 接続のちょうど中間にあたるのが、ダイヤルアップPPP(Point
to Point Protocol)サービスですね。これは、電話をかけたとき
だけIPアドレスが動的に割り当てられるもので、そのときには
Mosaic などの使える環境が提供されるという便利なものです。

Y:実際にインターネットに接続するには、もっといろいろな知識
が必要でしょう。

K:確かにそうですね。だからいまは、自力で接続できる力のある
ところだけが接続しているという状況なのです。ネットワークにそ
れほど詳しくない管理者には、KYSA ネットを使いながらネットワー
クの知識やスキルを実践的に高めてもらって、最終的に自力でイン
ターネットに接続できる力を付けてもらうというのが、お勧めパター
ンですね。

Y:それはいい考えですね。地道にコツコツと実力を付けて……。

K:それから、現在構想中なのは、KYSA ネットの中に、Mosaic 用
の WWW サーバーを立ち上げておいて、それを使ってみることで、
インターネットとはどのようなもので、どのような使い勝手があっ
て、どのようなビジネスに使えるかを疑似体験してもらえたらと思っ
ています。

 それも、ちょっとしかない情報だと、疑似体験も面白くないでしょ
うから、世界中にある有名な WWW(トリプル・ダブリュー)のサー
バーに入っている情報が、KYSA ネットからも疑似的に見られるよ
うにできればよいと思っています。

Y:WWW って、「トリプル・ダブリュー」って発音するのですか?
 私はずっと「ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー」と人前で発
音していたのですけど。

K:別にそれでもいいですけど、言いにくいでしょう。

Y:はい。でも、もう慣れました。:-)

 疑似体験できる環境を提供するというお話、いいですね。インター
ネットにそれだけお金をかけるべきかどうかを、先に上司などに分
かってもらわなければ、という人は多いと思います。インターネッ
トへの接続によって、かかる費用に見合うだけの効果があるのかど
うかが明確にならないことには、予算の獲得も難しいでしょうから。
「研究目的」という理由で予算が出るところは、特殊なケースです
からね。

K:それに、「百聞は一見にしかず」で、一度、触って使ってみれ
ば分かることでも、使ってみないことにはいくら説明を聞いても分
からないですからね。インターネットへの接続は、ちょっとやって
みるには、金銭的にも、技術的にもハードルが高いですから……。

 でも、構想中のこのアイデアも、いざ実行するとなると、難しい
でしょうね。^_^;

Y:まあ、そんな弱気にならず、頑張ってくださいよ。世の中の多
くの人が、ハッピーになることなんですから。フレー! フレー!
孝本さん。

 今日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。


[注1](株)京都ソフトアプリケーション

「地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法」に則って、第
三セクター方式で設立された会社で、人材育成、実践指導、仕事の
斡旋をその事業の中心としている。
http://www.kysa.co.jp/ 参照


[注2] 電話回線

主に電話での会話に使われている電話の線のこと。電話回線とは、
正式には、専用線接続、回線交換接続、パケット交換接続という3
種類の回線のうちの、回線交換接続のことを指す。自宅などでパソ
コン通信などを始める場合には、すでに使っている電話の線を適宜、
パソコンなどにつないで使う場合がほとんどだが、企業などでパソ
コン通信やインターネットへの接続を始める場合には、新しい回線
を準備する場合が多い。本文のケースでも、企業にネットワーク環
境を導入するために、常にネットワーク用として使える回線を1本、
新しく準備させている。


[注3] モデム

コンピュータが扱うデジタル信号と電話回線を流れるアナログ信号
とを相互に変換する機器の名称。電話機の下に置いて使う据置型、
携帯用にも使える小型のポケット型、本体の内部の専用スロットに
差し込んで使う内蔵型の3種類がある。


[注4] インフラ

インフラストラクチャ
(infrastructure:社会基盤)の略語。


[注5] モジュール

構成要素(module)のこと。


[注6] KYSAの研修の問い合わせ先

http://www.kysa.co.jp/ 参照


[注7] Subject名

自分が送る電子メールやネット・ニュースの表題のこと。その表題
の返事のメールやニュースのSujectには、その表題の前に「Re:」
という文字列が付けられ「返事だよ」という意味になる。


[注8] procmail

オランダのS.R.van den Berg氏によって作られた。94年6月30日に
v3.03がリリースされ、comp.sources.  misc/vol.43に含まれてお
り、FTPサイトからも入手できる。


[注9] sendmail

メール配送機構の中核をなすプログラムで、実際のメールの仕分け
などを行っている。


[注10] /bin/mail

メールを扱うコマンド。


[注11] .forwardファイル

ホーム・ディレクトリに置かれる設定ファイルの1つで、メールの
転送先のアドレスを記述するために使われることが多いが、本文の
例のような目的で使うこともできる。


[注12] フォルダ

メールを分類して保存するためのもの。MH では、届いたメールが
とりあえず置かれるフォルダの名前が、inboxである。


[注13] 正規表現

正規表現を使えば、文字列を指定するときに、文字列を完全な綴り
で記述しなくても、「*」などのメタ・キャラクタを使ってパター
ンで指定できる。


[注14] mh-e

Emacs から、MH(Message Handler)というメールを読むツールの
コマンド群を使うために利用される。MH は、mailコマンドと比較
して、フォルダ機能と検索機能が充実している。


[注15] Emacs Lisp

UNIX で使われるエディタの1つ、Emacs をカスタマイズ(自分が
使いやすいように設定を変更すること)するために使われるプログ
ラミング言語。Emacs の大部分の編集コマンドは、Emacs Lisp で
記述されている。


[注16] xbiff

画面上にポストの絵を表示し、メールが到着すると手紙の入ったポ
ストの絵を表示するプログラム。X に標準で付属している。作者は
Jim Fulton 氏。


[注17] UUCP接続

UUCP とは、UNIX to UNIX CoPy(UNIXからUNIXへコピーする)のこ
と。UUCP 接続されているコンピュータ間は、ファイル単位で情報
が中継される。


[注18] WWW

World Wide Web のこと。ハイパー・テキストの形式で情報を共有
するためのシステム。情報は、HTML(HyperText Markup Language)
という記述方法で書かれている。ちなみに、webは、「クモの巣、
クモの巣状のもの、〜網」という意味である。


[注19] Mosaic

WWW の代表的なクライアント。モザイクと発音する。
1993年にイリノイ大学のNCSA(National Center for
Supercomputing Applications)でアルバイト・プログラマとして働
いていた学生(マーク・アンダーセン)が開発したものであった。そ
の後、マーク・アンダーセンはNCSAを辞め、SGI(シリコングラフィッ
クス社)の創立者の一人であるジェイムズ・クラークと会社を設立。
最初、この会社は、Mosaic Communications Corp. と名付けられた
が、イリノイ大学以外でMosaicの名前が使えないことになり、
Netscape Communications Corp. と名前を変えた。


[注20] IP

Internet Protocol の略。IPネットワークに接続されたコンピュー
タどうしがコミュニケートするときの方法の名称。LANでもWAN(イ
ンターネット)でも同じ方法で通信が行われている。


以上


(UNIX USER誌連載「よしだともこのルート訪問記」より)
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