[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

第19回 マルチメディア技術相談でみかんの里は今年も豊作



1996年8月号 UNIX USER誌掲載「ルート訪問記」の過去記事

第19回 マルチメディア技術相談でみかんの里は今年も豊作


今回は、和歌山市小倉にある「和歌山県工業技術センター」 [注1] 
の研究員の井口信和(いぐち のぶかず)さんを訪ね、このセンター
のネットワーク環境と、和歌山大学との共同プロジェクトとして開
発を進めている「マルチメディア技術相談」についてお聞きしまし
た。インタビューには、共同研究などをされている、和歌山大学の
内尾文隆(うちおふみたか)さん [注2] にも加わっいただきまし
た。[新規注]


==========
[新規注]  「マルチメディア技術相談」

「マルチメディア技術相談」は「遠隔技術相談システム」と呼んでいます。
(1999.8.8 井口信和)
==========

==========
[井口 信和さんからの新規コメント]  

 雑誌の記事では、当センターのネットワークと研究プロジェクト
をご紹介頂きました。当時は、公設試がインターネットを使い始め
たところで、今後中小企業の技術支援等にどう活用したらよいかを
模索しているところでした。その後、インターネットを取り巻く環
境は大きくかわり、いまや地方中小企業においてもインターネット
の利用はあたり前という状況になっており、技術者の新しい交流の
場としてインターネットが活用されています。

  しかし、一方で、この「ルート訪問記」を毎月読むと、ネットワー
ク管理者の実態は変わっていないように思います。ネットワーク管
理は、ますます重要であるという認識が高まってきている反面、そ
れ対する正当は評価はないように思います。また、ネットワークは
利用したいが、管理という地味で割りあわない仕事には関わりたく
ないといった声も聞きます。

  ネットワークやインターネットに関係する雑誌も多く発行される
ようになりましたが、そのほとんどが利用方法やテクニカルな記事
であり、「ルート訪問記」のように、管理者の実態とその生の声を
取り上げた記事は他にありません。そういう意味で、この「ルート
訪問記」は、ベテランの管理者にとっても、初心者の管理者にとっ
ても大変貴重な連載であると思います。今後も連載が続くことを願っ
ています。

(1999.8.30 井口信和)
==========


*UNIXをサーバーにしたシステム構成

私(以下Y):はじめまして。井口さんは、この工業技術センター
全体のシステムを管理されているとお聞きしていますので、まずは
ここのネットワーク構成を説明していただけますか。

井口さん(以下I):はい。このセンターでは、1つのLAN上に業
務用システム(NetWare+DOS、LANマネージャ+OS/2)とインター
ネット環境(UNIX、Windows)が混在しており、WS、Windowsパソコ
ン、Macintoshを接続したマルチベンダ環境を実現 [注3] してい
ます。

 幹線には、FDDI [注4] の光ケーブルを使っています。ATM [注5] 
という選択肢も考えられたのですが、センターの基幹系業務をこの
LAN上で行うため、安定して運用する必要があったのです。そのため、
当時すでに安定した技術であったFDDIを導入しました。現在なら、
ATMも選択できると思います。

 2つの建物のすべての研究室に、FDDIループからブリッジを介し
てイーサネットを引いています。倉庫やホールにいたるまで、ネッ
トワークの線が用意されています。外部との接続は、’93年に和歌
山大学との間を専用線で接続して、インターネットの環境を整えた
のが始まりです。

内尾さん(以下U):専用線でインターネットに接続したのは、全
国の公設試 [注6] の中ではここが一番最初でした。’93年に接続
しようとすると、’92年から予算を申請しておかないといけないわ
けで、インターネットがちまたで騒がれるはるか前ですからね。

Y:4年前というと、大学や企業の研究者が研究・学術目的でイン
ターネットを使っていた時代 [注7] ですよね。

U:ここの専用線は、現在1.5Mbpsですよ。大学以外でこれだけの
太い線を持っているところはめずらしいでしょう。[新規注]


==========
[新規注]  1.5Mbpsの専用線

いまでは、それほどめずらしくないですね。(1999.8.8 井口信和)
==========


I:平成7年度の補正予算で、全国の約80パーセントの公設試が専
用線を持つようになり、それらはだいたいが256Kbps程度の線です。
和歌山は、全国の公設試の中で最高速の専用線を持っています。ホー
ム・ページを’94年4月に正式に公開したのですが、それも公設試
の中で一番早かったですね。このとき、ただホーム・ページを公開
するだけでは面白くないので、図書室にパソコンで作ったデータベー
スがあったので、それを利用してGopher [注8] でキーワード検索
ができるようにしました [注9]。

U:和歌山は、インターネットに関しては、かなり進んだ地域です。
これは、和歌山大学にはインターネットの技術に強い人間が、私も
含めて3人もいる [注10] ことも関係しているでしょう。普通は各
大学に1人、多くて2人でしょう。それが3人もいるものだから、
ここ(工業技術センター)のような、大学の外の機関にもちょっか
いを出す余裕があるのです。’92年に私が当時の所長に外部とのネッ
トワーク接続を提案したところ、ネットワーク担当者 [注11] に決
まったのが井口さんです。

I:当時、私はCGを研究していたのですが、外部とのネットワーク
があれば研究の助けになると思い、ネットワーク管理者を引き受け
ました。所長からは、「好きなことをやっていいから、やるからに
は日本で一番を目指せ」といわれましたね。

 しかし、UNIXはさわったことがある程度でルートの経験がなかっ
たので、和歌山大学の3人の先生の研究室に、毎日順番にかよって、
いろいろな知識を伝授していただきました。


*全国から技術相談の電子メールが届く

Y:’92年から井口さんがネットワークの管理を担当されるように
なって、翌年にLANと外部接続が実現したというわけですね。

I:’93年11月に外部とのネットワーク接続環境を整え、手始めに
翌年2月から電子メールによる技術相談を開始しました。

 当センターの重要な業務の1つに、技術指導、技術相談がありま
す。ここは企業、とくに中小企業の技術相談の窓口となっていて、
直接来所された方の相談を受けています。しかし和歌山県は広いた
め、県南部からセンターに来るには、片道3〜4時間かかる場合も
もあります。そこで、専用電話やFAXを用意して相談を受け付けて
いるのですが、このサービスを電子メールにも広げた [注12] ので
す。

 ちょうど、インターネットの電子メールとNIFTY-Serve、PC-VAN
などの商用パソコン通信の電子メールとが交換できるようになった
時期だったので、利用者の方はこれらのパソコン通信を使って電子
メールを出すこともできました。

 ここで対応できる内容ならすぐに返事を書けばいいですし、ここ
では対応できないような相談なら別の機関や研究所に問い合わせを
行うわけです。こんなことも、ここのインターネットの環境を利用
すれば効率よく行える点に注目しました。

U:ところが、始めた直後にすごいことになったんですよ。

I:このサービスの開始を発表したら、日本経済新聞の全国版や、
月刊『パソコン通信』にメール・アドレスが掲載され、その後日本
全国から電子メールが殺到しました。県内の技術相談の窓口として
始めたのですが、県外からのメールが多かったですね。「和歌山の
会社で作られた古い機械を使っている、問い合わせ先を教えてほし
い」、「別の県の試験場では試験してもらえなかったものを、和歌
山ではやってもらえるか」、さらには「ネットワークを構築したい
のだが、こういう場合はどうすればよいか」といった相談まで届き
ました。

 その最初の波が治まると、電子メールでの相談はあまり使われな
くなりました。もともと、相談の手段としては来所による相談が全
体の6割強を占めています。電話が3割程度で、FAXや電子メール
はほとんど使われません。その理由は、FAXや電子メールはリアル
タイム性がないので、相談には適さないということでしょう。さら
に、便利なはずの電話よりも来所が多いのは、相談ではやはり実物
を見せる必要があるからでしょう。

 しかし、専門家というのは相談対象物 [注13] の画像 [注14] が
見られれば半分ぐらいは対応できる、ということが分かってきまし
た。それが、今回われわれが「マルチメディア型遠隔技術相談シス
テム [注15]」を開発することになったきっかけになっています。


*独自のマルチメディア型遠隔相談システムの構築

Y:当センターと和歌山大学との共同研究プロジェクトとして、独
自のマルチメディア型遠隔相談システムを構築されたわけですね。
[新規注]

==========
[新規注]  マルチメディア型遠隔相談システム

いまは「遠隔技術相談システム」と呼んでいます。(1999.8.8 井口信和)
==========


I:すでに存在する「ビデオ会議システム」、たとえばCU-SeeMe
[注16] などを使っても遠隔相談はできるのですが、既存のシステ
ムはセンターの技術相談には使いにくい面があります。機能的にも
そうなのですが、一番のネックは高い通信速度が要求される点です。
中小企業が現実的に導入できる環境というのは、それほど恵まれて
いません。

 最も速くてINS 128、通常は28.8Kbpsのアナログ線でしょう。そ
のような環境の中で、どうすれば画像を使った遠隔相談システムが
実施できるか、というのがわれわれの研究の中心でした。

U:しかも「農場の真ん中の果物の画像を送る」となると、携帯電
話しか使えない場合もあります。

I:見る人が見れば、実物でなくても画像でもかなりのことは分か
ります。それで、これまでも写真に撮って送ってもらったり、ビデ
オに撮って送ってもらったりしていました。しかし、これだと時間
がかかるうえに、せっかく送ってもらった写真に専門家が本当に見
たい部分が写っていなかったこともありました。

それに比べれば「○○の絵を見せてほしい」といって実際に送って
くるまでに数秒かかかったとしても、すごく効率がいいのです。み
かんを例にとると、病気になった原因を早く見つけて対処しないと、
写真に撮って現像して送ってもらっている間に手遅れになってしま
うことも考えられます。

U:このような点を考慮して、われわれの開発したビデオ会議ツー
ルは、画像の受信側であるアドバイザーが、そのときに使っている
帯域を考慮して、画面のQoS(Quality of Services) [注17]、た
とえば画像の解像度や画面を切り出す範囲をコントロールできる機
能を持っています。[新規注]


==========
[新規注]  画像の解像度や画面を切り出す範囲をコントロールできる機能

現在では、ネットワークの状況に応じて、画像のQoSを動的に制御
する動的QoS制御機能を実装しています。(1999.8.8 井口信和)
==========


 このツールは、インターネットの世界で広く使われているvic
[注18] に改造を加え、新たに開発したものです。C++および
Tcl/TKで11万行程度のプログラムになりました。vicではアドバイ
ザー側から画像のQoSのコントロールができないため、改造が必要
となりました。vicがRTP [注19] を実装していることに着目して改
造を試みました [注20]。

Y:利用された画像圧縮の規格などについて教えていただけますか?

I:画像圧縮の規格はH.261を利用しました。これはITU-Tで規格化
されたISDN対応の圧縮標準です。’96年3月にはH.263というアナ
ログ回線対応の圧縮標準と、ATM対応の規格が発表され、さまざま
な機関でビデオ・ツール、ビデオ会議ツールの開発が活発に進めら
れています。

Y:開発されたツールは、どのようなプラットフォームで使えるの
ですか?

I:SGIのIndyやIndigo 2上で動くだけではなく、Windows 95でも
動きます。SGIのIndyはビデオ・インタフェース、オーディオ・イ
ンタフェースが標準で装備されていますし、ビデオやオーディオを
扱うためのサンプル・プログラムもたくさん添付されています。こ
れを使うだけでも簡単なビデオ・ツールやオーディオ・ツールなら
自作できることが、このマシンがビデオ会議ツール方面でよく使わ
れる理由でしょう。

 ただし、中小企業の環境として一番よく使われるのはパソコン環
境ですから、われわれのツールは、Windows 95の上でも動くように
してあります。[新規注]


==========
[新規注]  Windows 95の上でも動く

いまでは、もちろんLinux 、FreeBSDで動きます。(1999.8.8 井口信和)
==========


 中小企業の方は、自分の会社のパソコンからこちらのセンターに
ダイヤルアップで接続して利用されることになります。

U:vicを使って画像データを送っている画面を、吉田さんのマシ
ンにファイル転送しておきますね。ファイル転送にはXFTP [注21] 
が便利です。これはXのファイル転送のツールで、WinFTP [注22] 
とほぼ同じインタフェースで使えますよ。

Y:では、XFTPも、FTP(ファイル転送)してください。:-)


*インターネットを利用して遠距離電話の通話料を節約

Y:マルチメディアとインターネットを組み合わせれば、いろいろ
と便利に使えるんですね。何か1つ、あまり知られていないけど知っ
ているとうれしいようなことを、教えていただけませんか?

U:vat [注23] という音声会議ツールが、電話の代わりに使える
というのはどうですか?

I:WSどうしであれば、たとえばサンのWSの場合音声入力装置もす
でに付いていますから、vatさえインストールしておけば、簡単に
音声会議ができます。和歌山大学の内尾先生の研究室と私の研究室
は、常時このコネクションを張りっぱなしにしてあるので、「お〜
い」と呼べば会話ができてしまうんですね。だから、私たちは会話
をするのに電話をかけたことはないんですよ。

U:別にWSどうしでなくても、たとえばSoundBlasterのようなサウ
ンド・ボードが付いているパソコンなら、何でも使えますよ。vat
には、UNIXだけではなくWindowsの上で動くバイナリもあります。

 さらにうれしいのが、vatはダイヤルアップIP接続でも使えると
いう点です。音声ツールとして有名なものにInternet Phone [注24] 
がありますが、あれはInternet Phoneサーバーにログインして、
そこに接続している人と会話をしますね。しかしvatの場合は、普
通のPPP接続でも使えるので、遠距離電話の通話料を節約すること
もできるのです。

 そうです。たとえば、自分は大阪の家にいて北海道にいる人と話
したい場合、自宅からは28.8Kのモデムで市内料金で利用できるプ
ロバイダにPPP接続し、北海道の人(ネットワークにつながったマ
シンの前にいる人)と話すこともできます。

 実際に私は大阪の自宅から市内のサイトに電話をかけ、このセン
ターの井口さんにつないで会話してみました。音声の圧縮方式に
GSM [注25] を選択すると十分に使えました。GSMは9600bps用なの
で、当たり前といえば当たり前ですが、なかなか感動ものですよ。
途中に極端に細い線がないという好条件もありますけどね。

Y:Internet Phoneでもプロバイダを経由してInternet Phoneサー
バーにログインして使えば、電話代わりに使えるわけですよね。
vatとどう違うのでしょう?

I:Internet Phoneがサーバーを介さないといけないのに対して、
vatはポイント・ツー・ポイントの通信、すなわち、相手に直接つ
ないでも通信できるのです。[新規注]


==========
[新規注]  vat

いまなら、Netmeetingが使えます。(1999.8.8 井口信和)
==========


Y:それはいいことを教えてもらいました。



*ネットワーク構築の秘訣とは

Y:中小企業のネットワーク構築のアドバイスをされることもある
と思いますが、失敗するケースと成功するケースの違いはどのよう
なところにあるのでしょうか。

I:「LANを構築したことに満足する」というのでは、うまくいか
ないようです。構築後の運用がより重要だということを認識して、
人と費用をかけることでしょう。システム管理は、片手間にできる
ものではありません。もちろん、メインの仕事があって、システム
管理と両立しなければいけないケースもあるでしょうが、それは大
変なことであることを認識しておく必要があります。

Y:今日は、貴重なお話をどうもありがとうございました。



[注1] 「和歌山県工業技術センター」

和歌山県工業技術センターは、地域中小企業の技術力向上のための
総合的な実験、研究、技術指導、技術相談、技術者研修を実施して
いる公設試験研究機関である。企業の製品に対して試験をして成績
書を発行することも大切な業務の1つである。このセンターは、
「紀ノ川(有吉佐和子の小説で有名)」沿いの、和歌山市小倉にある。

==========
[新規注]  和歌山県工業技術センター

現在、和歌山県工業技術センターは、1課(総務課)、5部(企画
調整部、生活産業部、材料技術部、化学技術部、システム技術部)、
1室(漆器研究開発室)、1分場(皮革分場)およびデザインセン
ターで構成されている。(1999.8.8 井口信和)
==========


約50名の研究員(1999.8現在の研究員は、60名)の専門分野は、繊維、
染色、食品、化学、機械、金属、木材、デザイン、皮革、電子、情
報など。詳細は、
 http://www.wakayama-kg.go.jp/ 
を参照のこと。


[注2]  内尾文隆さん

和歌山大学システム工学部情報通信システム学科助教授。


[注3]  マルチベンダ環境を実現

このセンターのネットワークについては、「コンピュータ&ネット
ワークLAN」誌1995年9月号の「LAN導入例UNIX、NetWare、LANマネー
ジャ、Windows NTのマルチプロトコル・マルチベンダ環境を実現し
た和歌山県工業技術センター」という記事に詳しく説明されている。


[注4]  FDDI(Fiber Distributed Data Interface)

光ファイバー・ケーブルを用いた高速ネットワーク。通常のイーサ
ネットが10Mbpsの通信能力があるのに比べ、10倍の100Mbpsの通信
能力がある。


[注5]  ATM(Asynchronous Transfer Mode)

非同期転送モード。セル・リレーにおけるITU-TS(国際電気通信連
合電気通信標準化セクター)の標準で、音声、画像、データなどの
多種類の情報に対し「セル」と呼ぶヘッダー付きの短い固定長パケッ
トを必要数割り当てることで、統一的に扱う方式。セルの形式を固
定することでプロトコルを簡略化しハードウェアで処理できるため、
高速な交換、多重化が実現できる。


[注6]  全国の公設試

公設試験研究機関は、全国の都道府県に必ず置かれている。名称は、
○○工業試験場、○○工業技術センターなどである。


[注7]  研究・学術目的でインターネットを使っていた時代

日本に初めて商用プロバイダができたのが’92年末。それまでは日
本では、インターネットは研究・学術目的で使われていた。


[注8]  Gopher 

米ミネソタ大学で開発されたメニュー形式の情報検索システム。
Gopherを利用するためには、Gopherサービスを行っているホスト
(gopher.ncc.go.jpなど)telnetで遠隔ログインする方法と、
Gopherプロトコルを使うクライアントを利用する方法とがある。前
者の方法では、サーバーに大きな負荷をかけるので、普段使うには
後者をお勧めする。


[注9]  Gopherでキーワード検索ができるようにした

和歌山大学の床井浩平先生が全面的に協力されたそうである。

==========
[新規注]  床井浩平先生

床井先生のお名前を、掲載誌(96.8月号)で間違ってしまいました。
「床井 浩平」先生が、正しいお名前です。
申し訳ございませんでした。(1997.3 よしだともこ)
==========


[注10]   和歌山大学におられるインターネットに技術的に強い3人の先生

内尾文隆先生、床井浩平先生、渡辺健次先生(6月号の「みさと天
文台」の記事中にも登場)。

==========
[新規注]  渡辺健次先生

渡辺健次先生は、現在、佐賀大学理工学部知能情報システム学科 
助教授 です。(1999.8.8 井口信和)
==========


[注11]  ネットワーク担当者

ただし、専任ではなく兼務の担当者。現在もシステム技術部と企画
調整部の兼務とのこと。[新規注]


==========
[新規注]  ネットワーク担当者

現在は、システム技術部所属。専任でも兼務でもありません。でも、
インターネットの管理は一人で対応してます。(1999.8.8 井口信和)
==========


[注12]  電子メールにも広げた

当センターへの技術相談の件数は、1年間に約6000件。来所による
対応が64パーセント、電話によるものが32パーセント、FAXによる
ものが3パーセント、電子メールによるものが約1パーセントであ
る。


[注13]  相談対象物

対象物の例として、「機械部品の破損試験(椅子のキャスター)」、
「ニット生地に発生した傷の原因分析」、「みかんに発生した傷の
原因分析(バクテリア)」などがある。


[注14]  画像

静止画像は、イメージ・スキャナ、デジタル静止画カメラから取り
込む。あるいは、ビデオ・カメラからの画像をキャプチャして利用
する。動画像は、ビデオ・カメラから入力しCODECで圧縮して利用
する。


[注15]  マルチメディア型遠隔相談システム

マルチメディア型遠隔相談システムには、以下の4つの機能がある。

・相談対象物の画像データが扱える
・静止画像を適当な画像圧縮を施してネットワークで転送、動画像
はビデオ会議ツールを使って送信
・相談は相談者とアドバイザーが同じ画像を見ながら、音声会話
ツールあるいは電話を用いて利用者の対話によって行われる。
・データ共有機能によって、過去の事例を参考にできる。

なお、この「マルチメディア型遠隔相談システム」は、仮称として、
MUTEC(MUltimedia type remote TEchnical Consultation system)
と呼ばれている。[新規注]


==========
[新規注]  MUTEC 

MUTECは、呼びにくいので止めました。今は、「遠隔技術相談シス
テム」と呼んでいます。(1999.8.8 井口信和)
==========


[注16]  CU-SeeMe

「シーユーシーミー」と読む。米コーネル大学(Cornell
University)が全米科学財団の助成を受けて開発した、パソコン用
のテレビ会議システム(video conference system)。CUは、
Cornell Universityの略。ビデオを利用したチャット・システムの
一種であり、リフレクタと呼ばれるサーバーにログインして、そこ
に接続している参加者と会話を行う。ビデオ・キャプチャ・ボード
やビデオ・カメラ、サウンド・カードといった、通常の設備を用意
するだけで利用できる。


[注17] QoS(Quality of Services)

サービスの品質。


[注18]  vic(VIdeo Conferencing)

Lawrence Berkeley National Laboratory Network Research Group
で開発されたリアルタイム画像送受信用のプログラム。SGIのIndy
のように、ビデオ・カメラとビデオ・キャプチャ・ボードの付属し
ているマシンならば、すぐに使うことができる。[新規注]


==========
[新規注]  vic

Linux、FreeBSDでも利用できます。MS-Windows用のバイナリも配布
されてます。(1999.8.8 井口信和)
==========


[注19]  RTP(Real-time Transport Protocol)

マルチメディア通信のためのアプリケーション・レベルのプロトコ
ルとしてIETF(Internet Engineering Task Force)によって開発
されたもので、データ配送プロトコルと、RTCPと呼ばれるコントロー
ル用のプロトコルの2つの要素から構成される。詳しくは、
RFC1889を参照のこと。


[注20]  RTPを実装していることに着目して改造を試みた

技術的な説明は、情報処理学会第17回グループウェア研究会17-2
「マルチメディア型遠隔技術相談システムにおけるQoSコントロー
ル機能(井口信和、高坂知子、内尾文隆、津田達)」を参照のこと。
なお、11万行程度のC++およびTcl/Tkのプログラムを改造したの
は、高坂知子さん(和歌山大学経済学部 4回生、'96年当時)であ
る。[新規注]


==========
[新規注]  参考文献

1. 井口信和,内尾文隆:遠隔技術相談システムに適した画像制御
機能,情報処理学会論文誌,Vol.38,No.10,pp.1937-1944(1997)

2. 井口信和,内尾文隆:遠隔技術相談システムに適した動的QoS制
御,情報処理学会論文誌,Vol.39,No.2,pp.321-327(1998)

(1999.8.8 井口信和)
==========


[注21]  XFTP(xdir)

カリフォルニア大学Lawrence Livermore National Laboratoryの
Neale Smith氏によって開発されたX用のFTPツール。


[注22]  WinFTP

マウスのクリックでファイルが転送できる、シンプルさが特徴の
Windows用のFTPツール。Santanu Lahiri氏によって書かれたフリー・
ソフトウェアである。


[注23]  vat(Visual Audio Tool)

Lawrence Berkeley National Laboratory Network Research Group
で作られた音声ツール。今月号のLibCDに、Linux、Widows 95、
HP-UX9.00、Solaris 2.4およびSunOS 4.1.4の5種類のバイナリお
よびソースを収録している。


[注24]  Internet Phone

インターネット上で音声通信を実現する米ボーカルテックが開発し
たソフトウェア。同社の登録商標でもある。半二重用と全二重用の
2つのバージョンがあり、半二重では同時に相互に通話することは
できず、無線通信のような使い方になるが、全二重では電話と同等
の会話ができるようになる。インターネットは世界中に広がってい
るので、長距離電話や国際電話の代わりに使うことができる。


[注25]  GSM(Global System for Mobile)

ヨーロッパのデジタル携帯電話の方式。現在、世界のGSMネットワー
クがサポートしている転送レートは9600bpsだが、スウェーデンの
エリクソンらが開発した高速回線切替データ(High Speed Circuit
Switched Data)プロトコルにより、最高64Kbpsまでの通信が可能
となる。これによって、移動中のモービルPCユーザーが、ビデオ会
議や高速なインターネット・アクセスが可能になるものと見られて
いる。


以上


(UNIX USER誌連載「よしだともこのルート訪問記」より)
http://www.tomo.gr.jp/root/ に戻る