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第11回 窓から見えるは星と未来と現実と



1995年12月号 UNIX USER誌掲載「ルート訪問記」の過去記事

第11回 窓から見えるは星と未来と現実と

星稜女子短期大学 [注1](金沢市)は、経営実務科の中に経営会
計、経営秘書、経営情報の3つのコースを持つ私立の短期大学で、
今年の春に、構内LANをインターネットにIP接続して、学生と職員
のインターネットの利用を始めました。

今回は、同校のネットワーク構築の全般にわたる作業を担当された、
沢野伸浩(さわの のぶひろ)先生を訪ね、お話を伺いました。イ
ンタビューには、経営情報コースの1年生の、石橋良子(いしばし 
りょうこ)さんと窪園美(くぼ そのみ)さん、そして、大森重宜
(おおもり しげのり)先生にも、加わっていただきました。


*PCはNetWareでネットワーク化

私(以下Y):はじめまして。まずは、外部との接続の部分も含め
て、ネットワーク化されているシステムの構成について教えてくだ
さい。

沢野先生(以下S):外部への接続 [注2] には、サーバーとして
サンを置き、64Kbpsのデジタル回線でつないでいます。ファイル・
サーバーとしてNetWare [注3] のファイル・サーバー [注4] を
3台置き、内部のLAN [注5] はFDDI [注6] とイーサネットを使っ
ています。NetWareサーバーに、「第1情報室」にある学生用のパ
ソコン [注7] 51台と、管理棟の先生の研究室にあるパソコン14台
が、クライアントとして接続されています。

 UNIXマシンは、外部接続用のサーバーとしてファイルを通過させ
る役割 [注8] のものが1台あるだけで、あとはすべてパソコンで
構成されています(図1)。学生用のパソコン51台にはWindows
3.1がインストールされており、Chameleon NFS [注9] でインター
ネットに接続できるようになっています。先生用のパソコンの方は、
Chameleon NFSの代わりに、シェア・ウェアのTrumpet [注10] を使っ
ています。


*シングル・ユーザーOSをマルチユーザー環境で運用

S:UNIX中心のシステムではないことで、工夫を要求されることも
ありました。具体的には、UNIXマシンと、ファイル・サーバーであ
るNetWareに、それぞれ別個にユーザー登録してパスワードを登録
しなければいけないことです。UNIXのNIS [注11] の機能が根本的
に使えないわけですから。

 現状では、管理効率の問題もあり、非常にお恥ずかしい話ですが、
UNIX側のパスワードはすべて同じにしています。しかし、PCからの
ログインは自動的に行われるので、他人になりすますことはできま
せん。ユーザー名パスワードともに自分で入力できないようにして
あります。

 一方、NetWare側では、学生が個人個人のパスワードを登録して
管理しています。うちのシステムの場合、外部とつながっている
UNIXマシンには、大切なものはほとんど入っていません。未読メー
ルがスプールにたまっている程度です。ですから、外部から入られ
て本当に困るのは、NetWare側なのです。

 しかし、UNIX経由で侵入されても、パスワード管理がしっかりし
ているNetWareのパスワードを破られることは考えにくいでしょう。
もし、破られたら、NetWareを売っているノベルに文句をいいます
ね。セキュリティも含めて、商品を買っていると思っていますから。

Y:なるほど。

S:また、学生側の51台のパソコンそれぞれに、各学生のメーラー
へのログイン設定ファイルを置いてしまうと、われわれ管理者が卒
業時に51台すべてのパソコンから各自の設定を消さなければいけな
いことになってしまいます。

そこで、各学生のログイン設定ファイルは、各PC上には置かず、
NetWareサーバー上に置くようにしました。学生がパソコンにログ
インしたときだけ、個人のログイン設定をNetWareサーバー上から
取り込むのです。すなわち、バッチ・ファイルを作っておいて、コ
ンフィグレーション・ファイルをローカルに転送して、そこで
Chameleonのメーラーを立ち上げるという方法です。

 学校は会社と違って、学生が学内のいろんなマシンの前に座りま
す。どのマシンの前に座ったときでも、同じ環境が使え、自分に届
いたメールが読める必要があります。それが、UNIXが学校関係で広
く普及した理由の1つだと思います。

 パソコンは、基本的にはユーザー管理をしない、シングル・ユー
ザーを基本としたシステムですから。現状のWindows 3.1+
Chameleonの組み合わせでは、それを解決するためには工夫が必要
だったのです。


*インターネット接続の事務手続きは案外スムーズに

Y:自分のサイトをインターネットに接続したいが、手続きや接続
の技術的な作業が大変で、なかなか実現しないという話をよく聞き
ますが、いかがでしたか?

S:FITnet [注12] という地域ネットが2年ほど前から動きだして
おり、教育機関の場合は年間2万円の費用で、事務的な対外手続き
のほとんどすべてをやってくれました。事務的なことで私自身がやっ
たのは、JPNIC [注13] に、IPアドレスとドメイン名の申請ですね。
おぜん立てしてくれる組織に恵まれたおかげで、事務的な手続きは
スムーズにいきました。

 接続作業では、内部ネットワークを事前に作っておいて、最後に
外部と接続しました。

 専用線の工事をしたのが6月27日で、2日後の6月29日には物理
的にIP接続が完了しましたから、非常に早く使えるようになったケー
スだと思います。世界的に使えるようになったのも、1週間かから
ないぐらいでしたね。

Y:それは驚異的な早さですね。

S:理由は、先に内部を完全に作っておいたからで、設定に関して
は、大変なことも多かったですね。とくに、sendmail [注14] と
POP3 [注15] の設定が大変でした。これから接続の作業をされる方
には、「sendmailとPOPに詳しい知り合いを探すこと」をお勧めし
ます。:-)

 また、通信のためには、パソコン側にイーサネットのボードを入
れないといけないでしょう。そのうえ、TCP/IP [注16] に加えて
NetWareサーバーにアクセスするため、IPX/SPX [注17] プロトコル
も載せなければいけないわけです。両方のプロトコルを同時に動か
すのはかなり大変で、これは、パソコン・フリークでなければ、な
かなかできなかったでしょうね。

Y:パソコンとUNIXの混在するネットワーク構築の場合、UNIXとパ
ソコンの両方に通じていないといけないんですよね。

S:私は、パソコンに関してはかなり経験もあり詳しい方だと思い
ます。しかし、UNIXの方はそれほど詳しいわけではなく、通信の設
定などシステムの構築に関しては素人でしたから本当に大変でした。

 Windows NTの新しいバージョン3.51では、SMTP [注18] だけでは
なく、NNTP [注19] 、DNS [注20] などの一般的なUNIXネットワー
ク機能はすべて実現されるとのことですから、リリースされたら、
早速、Windows NTを使ったネットワークを構築してみようと思って
います。うまくいけば、いま、1台だけ使っているUNIXサーバーも
必要なくなり、すべてがパソコンのシステムが構築できるでしょう。


*学生がなじみやすいパソコン中心のシステム

S:ここのシステムの利点は、大きく見て2つあります。一つは、
パソコンなので学生側の負担が軽いということです。春に入学して
きた1年生が、夏にはもうWindows+Chameleonの環境を使いこなし
ているんですね。UNIXだと、なかなかそうはいかないでしょう。教
える方としても、非常に楽ですよね。

しかも、彼女たちはここを卒業したら、UNIXがばりばりに動いてい
る職場に就職するのではなく、だいたいが一太郎とロータスや
Excelが動いているところに行くと思います。ですから、学校の一
太郎とロータスを教育する環境をそのまま壊さずに、インターネッ
トも入れられたことは大きな利点です。

 もう一つが、コストが非常に安くついたということです。ファイ
ル・サーバーに、UNIXではなくNetWareサーバーを使ったことで、
コストは数分の1になっています。このNetWareサーバーは安い割
に性能が高く、とくにネットワーク・プリンタのレスポンスは、予
想よりはるかに良好です。授業で50人が一度にプリンタを使っても、
まったく問題なく使えています。

Y:最近では、UNIXマシンもずいぶんと安くなってきたので、「パ
ソコンがUNIXに比べて安価である」とはいい切れないとも思います
が。

S:たしかにそうですね。ただ、現状でもハードディスクなどの周
辺機器はやはりパソコンの方が安く、とりわけ、フリーでないアプ
リケーションをUNIXマシンに載せようとすると、非常に高くなるこ
とは事実だと思います。そのためか、UNIXではフリー・ソフトウェ
アを使おうとする場合が多いと思うのですが、フリーのソフトを自
分でインストールして使うためには、それだけのパワーが必要にな
りますね。

われわれの場合は、市販のソフトウェアを使うとの方針で、このシ
ステムを作り上げていますから、パソコンを使うことで、費用を抑
えられたことは事実です。

Y:パソコンの場合、個人での購入を意識した価格になっています
が、UNIXマシンの方は、ハードもソフトも、組織が購入することを
前提にした価格帯ですね。ところで、インターネットへの接続を含
む、システム構築にかかった総額は、どのくらいなのでしょうか。

S:サンは、もともとこの学校にあったものを使っているので、費
用はかかっていません。買ったのは、ルーターを2台 [注21] とア
ダプタなどの通信機器関係が100万円程度、それに専用線の契約料
や工事費用を足した金額が、初期費用ですね。先ほどのFITnetに払
う金額が年間2万円、64Kbpsの専用線の費用が月額4万2,000円で
す。これらが、通信費用です。それらに、学内のFDDI、パソコン類、
プリンタ、ソフトウェア類をすべて含んで、8,000万円程度だと思
います。


*インターネット接続の予算獲得の秘訣

Y:インターネット接続の予算獲得の秘訣を教えていただけますか?
不景気だということもあって、予算獲得に難航しているという話も
聞きますから。

S:まず最初に、インターネットのアメリカでの現状を説明しまし
たね。高校生でも、電子メールが交換できてあたり前だし、家庭に
もかなり導入されている。この地域の大学でも、うちほど自由に学
生に使わせているかどうかは別にして、つながっているかいないか
でいうと、つながっている学校がほとんどなんですね。われわれの
場合は、情報コースを設置しているのにインターネットにつながっ
ていなかったのですから、それでは困るとのことで、かなりスムー
ズに導入が決まりました。阪神大震災で、インターネットは社会的
にもかなり注目されたので、説明がしやすくなった時期でもありま
した。

Y:企業で予算を獲得する方が大変かもしれませんね。

S:企業で、最初から大きなお金が使えない場合は、まずは、内部
のLANを構築しておくとよいのではないでしょうか。スタンド・ア
ロンで使っていたら、プリンタが足りないとかディスクが足りない
などの問題が生じるわけですから、LANを導入することは経営者側
に大きくアピールできるはずです。

 そこまでできてしまえば、最初から専用線は無理だとしてもPPP
[注22] でインターネットにつなげばいいのです。

Y:なるほど。無事、予算が確保できて、このようなシステムを作
られたわけですが、インターネットは、学生だけではなく教職員の
方も活用されているそうですね。

S:はい。たとえば、体育実技と保健理論を教えておられる大森先
生は、'84年のロサンゼルス・オリンピックに陸上選手として出場
された方です。ここがインターネットに接続されたのを機に、
T-and-Fというメーリング・リストに登録されました。

Y:どのようなメーリング・リストなのですか?

大森先生:’93年2月に始まり、いまでは世界約30か国、約1500人
の陸上選手やコーチが参加するメーリング・リストで、大会の案内
や結果の公開、トレーニング方法などの議論をする目的のものです。
陸上競技は、記録が大切な世界で、常に世界中で大会が行われてい
ますから、インターネットを利用して情報を交換する必要性がとて
も高い分野なのです。今年の8月30日、ユニバーシアード95福岡大
会の会場で、このメーリング・リストのオフラインのパーティがあ
り、私も参加してきました。

Y:スポーツの世界でも、インターネットが活用されているいい例
ですね。


*経営情報コース1年生の「WWW作成委員」が大活躍

Y:お待たせしました。石橋さんと窪さんは、経営情報コース1年
生で、WWW作成委員ですね。7月にWWWサーバー [注23] が立ち上がっ
たばかりだというのに、かなり充実していますね。

石橋さん(以下I):外部と接続できた段階で、先生にいろんな大
学のWWWを見せていただきました。ところが、そこまで進んだとこ
ろで夏休みに入ってしまったんです。そこで、夏休みも頻繁に大学
に通って独学しました(詳しくは、コラム「WWW作成体験記」参照)。

窪さん(以下K):私は、石橋さんが「こんなふうに入力したら、
こうなるよ」と教えてくれるのを、自分もやってみるという感じで
すね。

S:すでに、HTML [注24] に関しては、私より彼女たちの方が詳し
いですね。私が夏休みにアメリカへ出張 [注25] している間に、彼
女たちは使い込んでいましたから。

I:HTML入力用のエディタは、NIFTYのFINETフォーラム [注26] で
見つけてきたものを使っています。Windows用のものがいくつかあ
りますが、その中から簡単そうなものを適当に選びました。「簡易
HTMLエディター」 [注27] というもので、HTMLのタグの挿入が簡単
にできるようになっています。

Y:このソフトウェアの使い方も、独学したのですか?

K:はい。「ひろ君とかずちゃんのHTML講座」という、会話調の説
明書があったので、それを石橋さんと2人で実際に読みながら……。

I:Windows上で動くフリーのHTMLエディタは、いまではかなりの
数がありますよね。知り合いのWWWに詳しい人 [注28] に聞いたと
ころ、1つだけ変わったエディタ [注29] があるそうです。ドロー・
ツールで作図するような感覚で、Mosaic上で表示されるのと同じ画
面を見ながら内容を記述していくことで、自動的にHTMLファイルが
作成できるそうです。単体のソフトではなく、MS-Wordといっしょ
でなければ動かないそうですが。

Y:WYSIWYG [注30] なんですね。:-) 私はエディタは、Mule
(Emacs)を使っているので、HTML用のLispファイル [注31] を、
使っています。ところで、WWWを作成していて困っていることはあ
りますか?

I:私は、お菓子屋さんでアルバイトしている関係で、お菓子のこ
とを紹介するページを書いているのですが、店のお菓子について、
どこまでの情報を書いていいかで迷ってしまいます。店の住所や電
話番号まで書いてもいいのか、カタログの文章をそのまま使っても
よいのか、カタログの写真を使ってよいのか……。

Y:著作権の問題 [注32] ですよね。カタログからの引用文だと分
かるようにしておけば、文章や写真を使ってもいいと思いますよ。
店の人に「使います」と言って、許可をもらう必要はあるでしょう
ね。

 いまも、WWWのページを作成中だということなので、また、作品
を見せてもらうのを楽しみにしていますね。今日は本当にありがと
うございました

(このインタビューは、星稜女子短期大学の職員の大谷亜佐子(お
おやあさこ)さんのおかげで実現しました)。



[注1]  星稜女子短期大学

学校法人稲置学園によって1979年に開学された。学園内に、金沢経
済大学、星稜高校、星稜中学、星稜幼稚園、星稜泉野幼稚園がある。
巨人軍の松井選手の母校でもある星稜高校は、今年の夏の甲子園大
会で準優勝した。


[注2]  外部への接続

この学校の場合、金沢大学経由で、SINET(学術情報センターネッ
トワーク)につながっている。


[注3]  NetWare

ノベルが開発、販売しているネットワークOS。パソコンLANでは、
最も一般的に使われている。星稜女子短期大学で使われているバー
ジョンは、3.12J。


[注4]  NetWareのファイル・サーバー

3台の仕様は、CPUにPentium 90MHz、メモリ128Mバイト、HDD 
10Gバイトとなっている。


[注5]  LAN

Local Area Networkの略。比較的狭い地域に分散設置された、各種
コンピュータを結ぶ構内ネットワーク・システム。


[注6]  FDDI

Fiber Distributed Data Interfaceの略。ビル間やビル内の基幹
LAN として、あるいはコンピュータ間を高速に接続するために用い
られる、100Mbpsの速度を持つリング型のLANの名称。伝送路には光
ファイバーを使う。


[注7]  学生用のパソコン

51台ある学生用のパソコン(PC/AT互換機)は、CPUにPentium 90M
Hz、メモリ24Mバイト、HDD760Mバイト、FD、CD-ROMドライブ、
SoundBlasterを搭載し、17インチ・カラーCRTを接続している。


[注8]  ファイルを通過させる役割

その証拠に、このUNIXサーバーには、XもEmacs(Mule)もWnnもイ
ンストールされていない。


[注9]  Chameleon NFS

定価9万8,000円で市販されている、Windows3.1上でTCP/IP接続(サー
ビス)を実現するソフト。ここで利用されているバージョンは、日
本語対応版の4.01J。


[注10]  Trumpet

正式名は、"Trumpet Winsock"。最新バージョンは、Ver.2.1(ファ
イル名:twsk21f.zip)。Trumpet Software Internationalによっ
て提供されているシェア・ウェア。


[注11]  NIS 

Network Information Serviceの略。パスワードやホスト名など、
ネットワークの利用に必要な情報を一括管理するデータベース機能。


[注12]  FITnet

福井、石川、富山の地域ネット。それぞれの頭文字から命名されて
いる。


[注13]  JPNIC

日本ネットワーク・インフォメーション・センター。コンピュータ・
ネットワークの円滑な発展に必要となる登録管理および情報提供を
行うために設立された組織で、現在JPドメイン名とIPアドレスの交
付を主な業務として活動している。「ジェーピーニック」と発音す
る。


[注14]  sendmail

ネットワーク間のメールの送信を行うプログラム。UNIXでは一般的
にデーモンとして使用されている。


[注15]  POP3

Post Office Protocolバージョン3(RFC 1081,1082)。UNIXマシ
ンに置かれたメールを、ログインせずにMacやPCへ転送するプロト
コル。「ポップスリー」と発音する。


[注16]  TCP/IP

Transmission Control Protocol/Internet Protocolの略。インター
ネット用に開発されたプロトコル群の総称。


[注17]  IPX/SPX

Internetwork Packet eXchange/Sequenced Packet eXchangeの略。
NetWareの中核的なプロトコル。


[注18]  SMTP

(STD 10、RFC 821,822)Simple Mail Transfer Protocolの略。
TCP/IP のアプリケーション・プロトコルの1つで、あるマシンか
ら他のマシンへ電子メールを転送するためのプロトコル。


[注19]  NNTP

(RFC 977)Network News Transfer Protocolの略。TCP/IP ネット
ワーク上でNetNewsの記事を転送するためのプロトコル。


[注20]  DNS

(STD 13、RFC 1034,1035)Domain Name Systemの略。広域、大規
模なネットワーク用に設計された分散ネームサービス・システム。


[注21]  ルーターを2台

ルーターとは、ネットワークを相互接続する機器で、パケットを転
送する際の経路制御を行うもの。ネットワークの接続先(この短大
の場合は金沢大)にも置くので、2台必要となる。


[注22]  PPP

Point-to-Point Protocolの略(RFC 1661)。2点間を接続して、
データ通信を行う場合に利用するプロトコル。シリアル回線上に
TCP/IPを手軽に乗せられることから、最近では、商用プロバイダと
のIP接続によく使われている。


[注23]  この大学のWWWサーバー

http://www.seiryo.ac.jp/  参照。


[注24]  HTML

HyperText Markup Languageの略。ハイパー・テキストを記述する
言語で、WWWの記述に使われている。ハイパー・テキストとは、テ
キストに対して他のテキストや画像をリンクさせることによって、
対話的に読むことのできるテキストのこと。


[注25]  夏休みにアメリカ出張

沢野先生は、アメリカ出張中にもCompuServe経由でNIFTY-Serve に
ログインして、メールを読み書きされていた。


[注26]  FINET フォーラム

NIFTY-Serve内のインターネットのフォーラム。


[注27]  簡易HTML エディター

HTML_E34.LZH(Ver.3.4)。長嶋 宏和 氏によって作成されたもの
で、Windows 3.1Jに対応。


[注28]  WWWに詳しい人

佐渡秀治@経営.金沢工業大学(当時)さんのこと。


[注29]  1つだけ変わったエディタ

whtml031.lzh。作者は、山下憲治@インプレス氏。


[注30]   WYSIWYG

What You See Is What You Getの略。「ウィズィウィグ」と発音。
「見えているものがそのままそっくり得られる」という意味。ディ
スプレイ上で見たままを印字出力すること。


[注31]  HTML用のLispファイルの名前
html-helper-mode.tar.gz。作者は、Nelson Minar氏。


[注32]  著作権の問題

WWWの著作権の問題については、インプレス発行の「インターネッ
ト・マガジン」の「ネットワーク時代の知的所有権入門」という連
載記事が、参考になるだろう。



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WWW作成体験記


星稜女子短期大学
経営実務科 情報処理コース 1年
石橋良子

 私がHTMLを知ったのは、7月に短大がインターネットにつながっ
てからです。すぐに自分のホームページを持つことができました。

  HTMLの書き方は、

  “インターネット 情報生活入門”,
   グループまたたび,技術評論社刊

という本を参考にしました。また、実際にMosaicで学術関係機関の
WWWホーム・サーバー・ガイドを見て、気に入った大学のページを
参考にしながら作りました。とくに私が参考にしたのは、富山大学
のホームページです。

 私たちの場合、Windows 3.1からWWWサーバーにアクセスしたり、
HTMLを書いたりしています。ですから、Windowsの方で作ったHTML
のソース・ファイルを、最終的にftpを使ってUNIXサーバーのWebディ
レクトリへ持っていきます。Windows(DOS)では拡張子が3文字ま
でなので、UNIX側へファイルを転送した後で、ファイル名に“.
html”と4文字の拡張子を付けるなどの工夫をしています。

 自分のページができてくると、もっとイラストを入れたいとか、
写真を入れてみたいと思うようになってきます。私の場合、
Windowsで絵を作成するのには、ペイントブラシとJSイメージ・エ
ディタを使っています。手順としては、スキャナやペイントブラシ
で作った画像をJSイメージ・エディタに持ってきて、サイズを変え
ます。これが苦労ものです。切り取ったり貼り付けたりして、うま
く座標を利用することがポイントです。

 さて、JSイメージ・エディタで作成した画像は、BMP形式でしか
保存することができません。HTMLで扱えるのは、GIFあるいはJPG形
式です。そこで、形式を変換するためのソフトが必要となり、探し
回った結果、“Paint Shop Pro”というイメージ処理ソフトで変換
することに成功しました。

 いまでは、本当に数分で画像を取り入れることができるようになっ
ています。星稜高校の('95年夏の)甲子園での準優勝のページは、
私が(この短大が)、はじめてWWWに写真を読み込んで作ったペー
ジでもあります。
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UNIX USER誌連載「よしだともこのルート訪問記」by tomo@tomo.gr.jp