「mule+Wnnを賢く使うための設定ファイル」 このパッケージは、mule(あるいはNemacs)のeggでWnnを *賢く* 使うための設 定キットです。使い方は、同梱の .eggrcファイルをホームディレクトリに置く だけです。それ以後にmule/eggを起動した時から設定が有効になります。 この .eggrcファイルには以下の特徴があります。 1) Wnn4の変換が賢くなる フリーソフトのかな漢字変換システムとして知られ、UNIXでの日本語(あるい は多国語)入力の事実上の標準である、Wnn4。けれど、あまり変換が賢くないと いう声も洩れ聞こえてきます。 しかし、そう決めつけるのは全くの早計。内部での変換のパラメータを設定し 直すことによって、Wnn4の変換はもっともっと良くなります。「人が変わったよ うに賢くなった」とさえ言われるほどです。 この .eggrcファイルには、eggからWnn4のjserverを利用する時に、パラメー タを変更して変換を賢くする設定が含まれています(注1)。一度試せば、見違え るほどのWnn4の真の実力にきっとびっくりするでしょう。 (残念ながらNemacsからは使えません。muleだけです) 2) ユーザ辞書や頻度ファイルを、各ユーザのホームディレクトリ下に作るか、 システム所定の場所に作るかが簡単に変更可能 この .eggrcファイルの先頭の方に、「(defvar wnn-usr-dic-dir …」で始ま る式が2つ書いてあります(注2)。そのうち一方をコメントアウトし、適切な方を 残すことで、ユーザ辞書や頻度ファイルの作成場所を誰でも簡単に変えることが できます。 3) Wnn6とWnn4、jserverとcserverとkserverとtserver、muleとNemacsで共用可能 同一ファイルでWnn6とWnn4の両方に使えます。2)でユーザ辞書や頻度ファイル をホームディレクトリ下に作る設定にしてある場合、システムにWnn6とWnn4を共 存(方法は文献[2])させていても、両者での頻度ファイルやユーザ辞書は別々の ディレクトリ($HOME/.wnn4と同/.wnn6)に作られますので競合しません。 また、jserver以外の変換サーバにもそのまま使えるので、システムのeggrc-wnn ファイルをそのまま置き換えてしまっても大丈夫です(多分^^;)。 - * - このファイルは、よしだともこさん(http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ tomoko-y/)の提供によるもので、私がjserver以外への対応などわずかな変更を 行ってパッケージ化したものです(なお、kserver・tserverでの動作は確認して いませんが、多分大丈夫だと思います)。この形での公開を快諾下さったよしだ ともこさんにお礼申し上げる次第です。 98/5/26 新出@奈良女子大学 nide@ics.nara-wu.ac.jp ------------------------------------------------------------------------ <注意事項> (注1) この .eggrcの先頭近くの、「よしだともこ必殺パラメータ」と銘打つ17個の 数の組(「2 10 2 45…」)がそれです。 なお、システムによっては、eggが既にこの「必殺パラメータ」を利用するよ うになっている場合もあります。その場合、このファイルを置いても当然変換は 改善されません:-)。eggが現在「必殺パラメータ」を利用しているかどうかは、 (この ,eggrcを置かずに)eggを起動し(muleを起動するだけではだめ)、ESC x set-wnn-param RET でわかります。この操作の後、順次リターンを押していくと 表示される17個の数が、現在設定されているパラメータで、それがこの17個と一 致していれば、既に「必殺パラメータ」が使われているわけです。 また、egg以外のWnnクライアント(uumなど)に対する「必殺パラメータ」設定 ファイルは、残念ながら同梱してありませんので、同じように変換を賢くするた めには、設定ファイルを別途、各クライアントごとに作ってやる(あるいは、 jserverの設定ファイルのデフォルトパラメータを書き換える)必要があります。 それには、文献[1]などが参考になるでしょう。さらに、「変換を賢くする」パ ラメータの詳しい意味や、Linux・FreeBSDでの日本語環境一般については、文献 [2]あたりが参考になります。 (注2) .eggrcの記述はEmacs LispというLisp言語で行います。しかし、ここで求めら れる変更は簡単なものなので、Emacs Lispを知らなくともファイルを見れば変更 方法は簡単に推測できるでしょう。ちなみに「;」以後行末までがコメントです。 <参考文献> [1] 「UNIXの日本語処理がわかる本 最新Wnn活用ガイド」 よしだともこ、日刊工業新聞社、1993 [2] 「Linux/FreeBSD 日本語環境の構築と活用」 佐渡秀治・よしだともこ、ソフトバンク、1997 サポートページ http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tomoko-y/japanese/