1986年10月~1991年9月までの5年間、26冊発行した"Mailbox"(UNIX社内普及雑誌)に、編集長として書いた「あとがき・らくがき(編集後記)」を、3つほど紹介します。

実は、このページだけは、最後まで(1991年まで)、私の手書き原稿を使いました。今になってみれば、「ワープロ化するよりも、手書きの方がより気持ちが通じる…」と信じていた当時の私の、せいいっぱいの抵抗だったような気がします。


"Mailbox"の創刊号の「あとがき・らくがき」

Written by Tomoko Nagayama on Oct. 31,1986.

やっと待望のMailbox創刊号ができあがりました。企画を開始してから○ヶ月が経ってしまい、暑かったはずの編集局(LF)に、秋のさわやかな風が吹き始めた今日、やっと! できたのです!

まず、Mailboxという名前を決めるまでにも、いろいろ大変でした。募集していっぱい集まったあとに、LFのミーティングで「多数決しまーす!」とはりきったのですが、「自分で決めたら~」「ともこの部屋にしたら~」という感じで、学校でのミーティングのように、ハーイと手を挙げてくれる人なんていなかったのでした。

文字をワープロ化しようか、手書きにしようか、内容は? などと、毎日ボーッと考える日々が続きました。たまたま手にした、分厚い週刊誌を見ては、 「これだけのページ数を編集するには、並々ならぬ努力と汗の結晶があっただろう…」と感動してはため息をつくのでした。その間、1週間ごとに発行される女性週刊誌が、どれだけ発行され、どれだけ駅のゴミ箱に捨てられたでしょうか。

「1ヶ月ごとの発行はムリ」ということで、2ヶ月に1回の発行に決めました。慣れればもっと頻繁に発行したい、「発行、まだかな~」と読者が心待ちにするようなものにしたい、と夢いっぱいです。

これまで、本の前書きなんかに「この本が発行できたのは、○○さんのおかげです」などと書いてあっても「ギザだな~」と思うだけでしたが、自分がその立場になってはじめて、執筆中不安な毎日を送っていた作家にとって、その ○○さんがどんなに助けになったかが、わかるような気がしました。上司の坂口俊一さん、どうもありがとうございました。最後に、原稿の執筆、アンケートに協力してくださった方々、ありがとうございました。ともこ


"Mailbox"の第3号の「あとがき・らくがき」

Written by Tomoko Nagayama on Feb.14, 1987.

(前半、省略)

そうそう。お正月に会社の方から、「"Mailbox"を電子メールで社内全体に送れるようにするのが夢ですね。」と書かれた年賀状をもらいました。会社全体にUNIXワークステーションが導入されて、"Mailbox"は電子メールで全国へ…なんて、考えただけで胸がおどりませんか?

「昔は、ブルーの表紙で、わざわざ紙に印刷されて、社内便なんかで配布されていたな…」と懐かしく思う日がホントに来るのかしら…と考えてみたりしています。

ところで、この"Mailbox"の発行日が、2月14日(土)なのに気がつかれました? 2月14日は、 言わずと知れた、St. Valentine's Day。そしてなんと、大安なんです。でも、出勤日じゃないし、前日の金曜日発行にしようかなぁと思ったら、なんと、 13日の金曜日なんです。しかも、仏滅。

"Mailbox"は、現代の機関誌ですから、縁起をかつぐ気はないのですが、 やっぱり発行日は、2月14日にしました。

それにしても、「バレンタインデーで大安の日」と「13日の金曜日で仏滅の日」が1日違いでやってくるなんてねぇ。"Very interesting!" って思いませんか?


"Mailbox"の第16号の「あとがき・らくがき」

Written by Tomoko Yoshida on Jun.26, 1989.

私は最近、ソフトウェアのマニュアル書きの仕事をしています。マニュアルの執筆って、ホント大変な作業ですね。エッセイなんかを書くのと違って、好きなことだけ好きなように書いていてはいけないし…。:-)

この「マニュアル執筆」という作業、「自分しか知らない風景を、相手に伝える!」という重要な使命を持った作業だと思います。相手をその場に連れていって、実際にその「風景」を見せること(使い方を、手とり、足とり教えること)さえできれば…。でも、それができないために、文章や図で、なんとかわかってもらおうと努力しないといけないのです。

「自分しか知らなかったはずの風景」が、マニュアルを読む人みんなに伝わって、いつの間にか「みんなが知っている風景」になる --そんな「マニュアル」が作れたらいいなって夢をふくらませている私です。(TOMOKO)


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Last Update : Sep. 8, 1998 by Tomoko Yoshida