1998.1.9 バージョン


FreeBSDユーザーの読者の方へ

この本は、「Linux/FreeBSD の日本語環境の構築と活用」というタイトルに なっていますが、実際には、「Unixにおける日本語環境の構築と活用」が タイトルで、副題として「Linuxによる実例紹介」というのが、より内容に ふさわしいとの指摘をいただきました。

その通りだと思います。すなわち、基本的な部分は、LinuxにもFreeBSD にもあてはまる、UNIX一般の日本語環境に関するものなのです。しかし、 細かい部分(実例)で、一部、OSに依存するところがあり、この本では、 そこはLinux環境を基本に説明しているからです。

したがって、読者がFreeBSDユーザーの場合、ちょっと不親切な部分が あるかもしれません。これについては、著者として申し訳ないと思っています。

そこで、FreeBSDの日本語環境のpackage/portsを作っておられる、 田岡さんからいただいたコメントのうち、「FreeBSDユーザーが、 この本を読む場合の補足説明」を中心に抜粋して、以下に掲載させて いただきます。田岡さん、貴重な情報をありがとうございました。


以下は、田岡さんからいただいたメールからの抜粋です。



▼ [P34, 上から3行目、4行目] 



ここでkonの利用について書いてありますが、FreeBSDの日本語、

韓国語、中国語のインストーラは、konを使っている、ことを挙げる

と良いと思われます。





▼ [P35, 上から8行目、9行目] 



FreeBSDのpackageでインストールされたkonは、



bdf-zcat:Startup

        gzip -cd /usr/local/lib/fonts/k14.bdf.gz | /usr/local/bin/fld -t bdf -n

        gzip -cd /usr/local/lib/fonts/7x14rk.bdf.gz | /usr/local/bin/fld -t bdf -n



となっています。





▼ [P43, 3.5.1節] 



FreeBSDのpackageでインストールされた日本語対応(国際化)

のlessは、jlessという名前です。





▼ [P44, 上から1行目] 



FreeBSDでのLANGの値は「ja_JP.EUC」とします。実際、

/usr/share/locale/にはja_JP.ujisはなくてja_JP.EUCしかありません。

また、2.2.5-RELEASEからはja_JP.SJISもあります。





▼ [P62, 下から3〜1行目] 



XFree86 3.3.1には、/usr/X11R6/lib/X11/locale/ja/XLC_LOCALE

のバグがあって、-*--14-*と言う指定ができなかったと思います。



--- XLC_LOCALE.org      Mon Aug  4 16:44:48 1997

+++ XLC_LOCALE  Wed Oct 15 23:02:45 1997

@@ -35,6 +35,7 @@

        }

        font    {

                primary         JISX0201.1976-0:GR

+               substitute      JISX0201.1976-0:GR

                vertical_rotate all

        }

 }



を当てればOKになったはずです。





▼ [P73, 4章] 



FreeBSDでは、xwnmoはWnn4.2のpackageに現在('98.1.7)は入っていません。

また、canuumもpackageに入っていません。





▼ [P81, 上から6行目、P100, 下から8〜1行目] 



% kinput2 -version 

kinput2 version 2.0 fix 4  (1997/12/09)

        options: [Wnn] 



から、EGGのキーバインドが正式に取り込まれました。FreeBSDのpackageとして

はこのバージョンは、現在('98.1.7)はまだ入っていませんが、その内、

このバージョンのものが入るでしょう。





▼ [P168, 上から1行目] 



FreeBSDでは、ja_JP.ujis → ja_JP.EUC。





▼ [B-4, Wnn6のインストールについて] 



▼

・1997年7月発売の「Wnn6 for Linux/FreeBSD」の「製品版Wnn6」を

  FreeBSDにインストールする場合について



Wnn6をインストールするためのFreeBSDのportsを作ってあります。

/usr/ports/japanese/Wnn6です。ここでmakeすると、CD-ROMをマウント

してインストール、各種設定(wnnユーザの追加など)をしてくれます。

ただし、このportsでインストールした場合、wnnアカウントのUserIDは

69となります。





▼

・書籍の付録CD-ROMに含まれる「体験版Wnn6」をFreeBSDに

  インストールする場合について



package形式になっていますので、pkg_addで、インストール、

各種設定(wnnユーザの追加など)をすべて実施できます。具体的には、

以下のコマンドを実行します。



# pkg_add ja-Wnn6-trial-97.8.28.tgz



(詳しくは、付録CD-ROMに含まれるオンラインのインストールガイド

(READMEファイル)参照。)



ただし、注意が必要です。この体験版をpkg_addしたときに、自動でいろんな設

定をしているのですが、その中にwnnアカウントも作るようにしてあります。

OMRONWnn6/setup.shがそのためのスクリプトです(これの元は私が作ったもので

す)。その中に



FILE="/etc/master.passwd"

FILE2="/etc/passwd"

(grep -v wnn ${FILE}.bak ;  echo "wnn:*:127:7::0:0:Wnn6:/nonexistent:/nonexistent") > ${FILE}

mv ${FILE2} ${FILE2}.bak

(grep -v wnn ${FILE2}.bak ;  echo "wnn:*:127:7:Wnn6:/nonexistent:/nonexistent") > ${FILE2}

pwd_mkdb /etc/master.passwd



のような(ちょっと変更してます)記述がありますが、これでwnnアカウントを

自動で作っていまが、これって、とっても危険な方法です。現在の、Wnn6の

portsでは、安全な方法(pwというコマンド)で登録するようにしてあります。



/usr/ports/japanese/Wnn6/pkg/INSTALL



を見てください。





▼

・1997年12月発売の「Wnn6 for Linux/BSD」の「製品版Wnn6」を

  FreeBSDにインストールする場合について



これもpackage形式になっていますので、pkg_addで、インストール、

各種設定(wnnユーザの追加など)をすべて実施できます。具体的には、

以下のコマンドを実行します。



# pkg_add ja-wnn6-2.2-2.tgz



(詳しくは、製品に含まれるオンラインのインストールガイド(README

ファイル)参照。)



なお、この製品版は、安心な方法(pwというコマンドを使う)で、

wnnアカウントを作るようになっていますので、ご安心を。





▼ 



この本で紹介されているソフトのうち、FreeBSDのpackageになって

いないものが幾つかあります。私が気付いたものとしては、6章で

紹介されているjhdは、packageにはなっていません(注)。また、

前出のcanuum, xwnmoもありません。



以上です。




(注) 6章で紹介しているソフトに、バイナリが用意されているかは、 こんな風にまとめられる。 LinuxのPJE FreeBSDのports/package 付録CD-ROMにソース nkf ○ ○ ○ kcc ○ ○ ○ recjis ○ ○ ○ jhd ○ × ○ KAKASI × ○ ○

このページは、この本の著者の一人、よしだともこ tomoko-y@mbox.kyoto-inet.or.jpが作成しています。



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