この本は、「Linux/FreeBSD の日本語環境の構築と活用」というタイトルに なっていますが、実際には、「Unixにおける日本語環境の構築と活用」が タイトルで、副題として「Linuxによる実例紹介」というのが、より内容に ふさわしいとの指摘をいただきました。その通りだと思います。すなわち、基本的な部分は、LinuxにもFreeBSD にもあてはまる、UNIX一般の日本語環境に関するものなのです。しかし、 細かい部分(実例)で、一部、OSに依存するところがあり、この本では、 そこはLinux環境を基本に説明しているからです。
したがって、読者がFreeBSDユーザーの場合、ちょっと不親切な部分が あるかもしれません。これについては、著者として申し訳ないと思っています。
そこで、FreeBSDの日本語環境のpackage/portsを作っておられる、 田岡さんからいただいたコメントのうち、「FreeBSDユーザーが、 この本を読む場合の補足説明」を中心に抜粋して、以下に掲載させて いただきます。田岡さん、貴重な情報をありがとうございました。
▼ [P34, 上から3行目、4行目] 
ここでkonの利用について書いてありますが、FreeBSDの日本語、
韓国語、中国語のインストーラは、konを使っている、ことを挙げる
と良いと思われます。
▼ [P35, 上から8行目、9行目] 
FreeBSDのpackageでインストールされたkonは、
bdf-zcat:Startup
        gzip -cd /usr/local/lib/fonts/k14.bdf.gz | /usr/local/bin/fld -t bdf -n
        gzip -cd /usr/local/lib/fonts/7x14rk.bdf.gz | /usr/local/bin/fld -t bdf -n
となっています。
▼ [P43, 3.5.1節] 
FreeBSDのpackageでインストールされた日本語対応(国際化)
のlessは、jlessという名前です。
▼ [P44, 上から1行目] 
FreeBSDでのLANGの値は「ja_JP.EUC」とします。実際、
/usr/share/locale/にはja_JP.ujisはなくてja_JP.EUCしかありません。
また、2.2.5-RELEASEからはja_JP.SJISもあります。
▼ [P62, 下から3〜1行目] 
XFree86 3.3.1には、/usr/X11R6/lib/X11/locale/ja/XLC_LOCALE
のバグがあって、-*--14-*と言う指定ができなかったと思います。
--- XLC_LOCALE.org      Mon Aug  4 16:44:48 1997
+++ XLC_LOCALE  Wed Oct 15 23:02:45 1997
@@ -35,6 +35,7 @@
        }
        font    {
                primary         JISX0201.1976-0:GR
+               substitute      JISX0201.1976-0:GR
                vertical_rotate all
        }
 }
を当てればOKになったはずです。
▼ [P73, 4章] 
FreeBSDでは、xwnmoはWnn4.2のpackageに現在('98.1.7)は入っていません。
また、canuumもpackageに入っていません。
▼ [P81, 上から6行目、P100, 下から8〜1行目] 
% kinput2 -version 
kinput2 version 2.0 fix 4  (1997/12/09)
        options: [Wnn] 
から、EGGのキーバインドが正式に取り込まれました。FreeBSDのpackageとして
はこのバージョンは、現在('98.1.7)はまだ入っていませんが、その内、
このバージョンのものが入るでしょう。
▼ [P168, 上から1行目] 
FreeBSDでは、ja_JP.ujis → ja_JP.EUC。
▼ [B-4, Wnn6のインストールについて] 
▼
・1997年7月発売の「Wnn6 for Linux/FreeBSD」の「製品版Wnn6」を
  FreeBSDにインストールする場合について
Wnn6をインストールするためのFreeBSDのportsを作ってあります。
/usr/ports/japanese/Wnn6です。ここでmakeすると、CD-ROMをマウント
してインストール、各種設定(wnnユーザの追加など)をしてくれます。
ただし、このportsでインストールした場合、wnnアカウントのUserIDは
69となります。
▼
・書籍の付録CD-ROMに含まれる「体験版Wnn6」をFreeBSDに
  インストールする場合について
package形式になっていますので、pkg_addで、インストール、
各種設定(wnnユーザの追加など)をすべて実施できます。具体的には、
以下のコマンドを実行します。
# pkg_add ja-Wnn6-trial-97.8.28.tgz
(詳しくは、付録CD-ROMに含まれるオンラインのインストールガイド
(READMEファイル)参照。)
ただし、注意が必要です。この体験版をpkg_addしたときに、自動でいろんな設
定をしているのですが、その中にwnnアカウントも作るようにしてあります。
OMRONWnn6/setup.shがそのためのスクリプトです(これの元は私が作ったもので
す)。その中に
FILE="/etc/master.passwd"
FILE2="/etc/passwd"
(grep -v wnn ${FILE}.bak ;  echo "wnn:*:127:7::0:0:Wnn6:/nonexistent:/nonexistent") > ${FILE}
mv ${FILE2} ${FILE2}.bak
(grep -v wnn ${FILE2}.bak ;  echo "wnn:*:127:7:Wnn6:/nonexistent:/nonexistent") > ${FILE2}
pwd_mkdb /etc/master.passwd
のような(ちょっと変更してます)記述がありますが、これでwnnアカウントを
自動で作っていまが、これって、とっても危険な方法です。現在の、Wnn6の
portsでは、安全な方法(pwというコマンド)で登録するようにしてあります。
/usr/ports/japanese/Wnn6/pkg/INSTALL
を見てください。
▼
・1997年12月発売の「Wnn6 for Linux/BSD」の「製品版Wnn6」を
  FreeBSDにインストールする場合について
これもpackage形式になっていますので、pkg_addで、インストール、
各種設定(wnnユーザの追加など)をすべて実施できます。具体的には、
以下のコマンドを実行します。
# pkg_add ja-wnn6-2.2-2.tgz
(詳しくは、製品に含まれるオンラインのインストールガイド(README
ファイル)参照。)
なお、この製品版は、安心な方法(pwというコマンドを使う)で、
wnnアカウントを作るようになっていますので、ご安心を。
▼ 
この本で紹介されているソフトのうち、FreeBSDのpackageになって
いないものが幾つかあります。私が気付いたものとしては、6章で
紹介されているjhdは、packageにはなっていません(注)。また、
前出のcanuum, xwnmoもありません。
以上です。
(注)
 6章で紹介しているソフトに、バイナリが用意されているかは、
こんな風にまとめられる。
         LinuxのPJE  FreeBSDのports/package   付録CD-ROMにソース
 nkf     ○           ○                       ○ 
 kcc     ○           ○                       ○ 
 recjis  ○           ○                       ○ 
 jhd     ○           ×                       ○ 
 KAKASI  ×           ○                       ○ 
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